体験学習A《実施科目と内容》
①わら細工
地元産の「わら」を材料に約20cmの長さの小さな箒(ほうき)を作ります。この地域では「実子箒(みごぼうき)」と言っています。身近なちょっとした場所の清掃に役立っています。最近はわらに親しむ機会が少なくなっていますが、昔から鳥居や玄関の注連飾りをはじめ、米俵・ぞうりなどわらを材料に数多くの生活用品が作られてきています。

②バターナイフ・ジャムスプーン作り
粗削りした木製のナイフとスプーンを、サンドペーパーで整形しながら削り、最後にミツロウワックスを塗布して仕上げます。作品を持って帰り実際に使ってみて完成となります。現代はお金を出せば何でも手に入る時代です。その様な時に自分で手をかけ作り上げたものに愛着を感じると思います。

③箸作り
木製の角材をサンドペーパーで直角部や先端を丸く、細く削り、さらに表面にミツロウワックスを塗り、日本古来の箸を自分なりに作ります。箸の材料には硬くて丈夫なエンジュ、トチノキなどを使い、サンドペーパーで箸が手になじみやすくなるように少しずつ削って形を整え、表面を滑らかにし、世界でただ一つの自分だけの箸を作ります。

④型染め
「切り絵」の要領で事務用シールシートをたたみ、印を書いたところをハサミで切り抜いて広げると連続模様の「型紙」になります。この型紙を無地の木綿の巾着に貼り付け、穴の開いた部分にスポンジ刷毛で赤・青・黄の三色の顔料を使って好きな色で染めていきます。最後にシールシートをはがすと自分だけの模様の作品が出来上がります。

⑤織り編みミサンガ作り
材料は繭から取った絹糸です。この地域でも一時養蚕業が盛んに行われた歴史があり、絹糸は身近なものとなっていました。作り方は織り編み方法で5本の絹糸を使用します。4本が縦糸・1本が横糸、下・上・下・上の繰り返しで作品作りをしています。織り方に個性があり、素敵なミサンガが出来ています。

⑥組み紐
飛鳥時代に中国から伝わってきたのが、組み紐の始まりだと言われています。今日では、伝統的な行事の様々な装飾の一つとして使われていますが、その素材の特長を生かしてアスリート用の義足や、宇宙船の船外活動等にも使われるようになってきました。体験学習では、丸い台を用い絹糸を使ってストラップ等を作っています。

⑦紙漉き
この県北地区では、歴史的に手漉きによる和紙作りが盛んに行われていました。その方法は、漉き舟に紙液を溶かし、桁と簾によって紙液をすくうというものです。体験学習では、身近にあるコップを利用した簡易的な紙漉きの方法を取り入れています。和紙の中に押し花を漉き込んだしおりやコースターなど個性豊かな作品を作っています。

